よちよち着物日記

右も左もわかりません!!!

頭でっかちになる

昨日は地元の図書館でこんな本を借りてきました。

重かったー!

 

今は暇なので、とりあえず着付けの練習だけでなく、着物の知識もなるべく取り入れたいと思っています。

Amazonでよさげな着物本を探して、Kindle Unlimitedで読める本はそちらで読みーの、気になるけど読み放題に入っていないものはひとまず図書館で探して、中を見てから買うか判断しようと思いました。

あとUnlimitedで着物の雑誌なんかも見るようにしていますね。

理想的な着姿を目で覚えたいなと思って。

 

まあそんなわけで、借りてきた本をぺら読みしてみたのですが。

このうちの2冊は、私にはちょっと硬いかなあと感じてしまいました。

たとえば「色無地はカジュアルには合いません」と断言してあったりするんですよね。

ネットで調べると、色無地でも紋なしならカジュアルに着れると書かれてあったりするのに。

ちょっと頭硬すぎない?古すぎない?と感じて、抵抗感を覚えてしまいました。

柄にしてもそうで。

別に秋にイチゴ柄を着たっていいじゃない、と。イチゴ柄が好きな人は年中イチゴだって全然OKじゃないですか?

 

と考える一方で、「型にはまろうとする自分」もいたりするんです。コイツが厄介で。

例えばもし真夏に桜柄を着ている人を見かけたら、正直私はきっと「なんで夏に桜?」って思っちゃう。

でも別に全然いいじゃないですか、その人が納得して着ているんなら。その人の中で何か意味があるのかもしれないし(たとえばさくらちゃんというお友達に会いに行ったとかね)。そもそもひとの格好や姿形なんて、他人が口出していい領域では決してない。

なのに、私の中にはやっぱり秋には秋の格好をしたい自分もいて、それはどこかで「皆そうあるべき」みたいな思考にもなりがちで。

気づけば私自身が、常識で凝り固まったような人間になってしまっている。そういう自分もいるんです。

「常識」を押しつけられるのが大嫌いなはずなのに、その「常識」を武器や盾にして、人と戦おうとする自分がいる。

本を読んで、理屈を知ろうとすればするほど、そういう自分がむくむくと大きくなって。それが嫌で……でも最低限の知識は持っていたくて……。

そういう対照的なふたつの動きが、自分の中で衝突してしまっていたりします。

 

先日「ポリエステルの着物は恥ずかしい」なんていう言説を、たまたまネットで目にしました。

私は手入れのしやすさとお財布への優しさから、化繊を積極的に選びたいと思っています。

たまにリサイクルやアンティークで、正絹でもお安いものが出てたりしますが、やっぱりお手入れがネック。丸洗いできない、水で濡らすことすらNGとなると不便だなって、アンティーク帯を1枚買ってみて思いました。

でも世間には「特にいい年した大人がペラペラのポリは恥ずかしい」と考える人は一定数いるんですよね。

それも分かるんです。

私は以前スーツ店で働いた経験があるので、化繊と天然繊維の違いは一応知識として理解はしていて。正絹の質のよさや風合いといった価値も、知ってはいるんです。

だから「ポリは恥ずかしい」派の言うことも、ちょっと納得できてしまう。

 

それに最近、着物警察と呼ばれるような人が言いたいことも、少しずつ分かってきてしまったりもして……。

まだまだ知らないことだらけではありますが、なんとなく整った着姿の美しさとかが分かるようになって。衿の角度ひとつで印象が変わることとか。

別に素人が頑張ってひとりで着たもので、しかもカジュアルシーンなら、多少崩れてたっていいし、衿がちょっと左右非対称だろうがお太鼓が曲がっていようがいい。と思う自分もいる。

でも例えばおはしょりはまっすぐピシッとなってたら、やっぱりかっこいいし……崩れてる人を見た時「もしそこがまっすぐだったら……!」なんて、いらないおせっかいを考えてしまう自分もいるんじゃないか。

 

なんか怖いです。私が着物警察になりそうで。

理屈や常識、ルールや自分だけの価値観で人を殴る人間になっちゃいそうで。

 

もっと自由に好きなように楽しもうよ!洋服みたいに、気軽にラフに、多少崩れてたって気にしないで着ようよ!って思う自分がいて、そういう自分のほうが好きだし、大事にしたい。

なのに頭でっかちになっていく自分も感じていて……。

最低限の知識は身につけて、その上でどうしたいか、どうするかは自分で決めればいい、ただそれだけのことなんですけど、本を読み知識を理屈としてインプットしてしまうと、「こうじゃなきゃいけない」みたいな思考になって、自分もがんじがらめになるし、最悪人にもそれを押し付けてしまいそうで。

それがとにかく嫌で……うーん。強い葛藤があります。

 

でもでも、せっかく借りてきた本なのだから、割り切ってできるかぎり読んで吸収して、訊かれた時にはぱっと答えられるようにしたいなって思います!!!

でも訊かれない限り自分からは言わないように!!

自分にも他人にも押し付けない!!! 他人にはもちろん、自分にも優しくする!!!

 

ーーー

 

そういえば、漫画『爛漫ドレスコードレス』の2巻にもそんなようなことが描かれてありました。

やりたいことと決められた(推奨される)ルールとのあいだで板挟みになる気持ち。分かります。

そうですよね、自分が着て楽しい方を選んだほうが、幸せだと思う。

そしてその純粋な楽しさや喜びは、他者への優しさにもつながる気がする。

 

ギスギスとジャッジしあう厳しい世界より、みんながみんなに優しくできる世界のほうがいいですね……!!

自戒。